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6/22 サラ・デイヴィス・ビュクナーさん プログラムノート

Categoryコンサートのご案内

6月22日(木)13:30~のサラ・デイヴィス・ビュクナーさんの公演、

後半には「ちいさい秋みつけた」などで知られる日本を代表する作曲家、

中田喜直のピアノソナタがありますが、

この曲に寄せてサラさんが書かれたプログラム・ノートが素晴らしいので、ご紹介いたします。
演奏はこちらのリンクからご視聴頂けます。
http://saradavisbuechner.com/watch.php


●中田 喜直:ピアノソナタ(1949年‐1969年作曲)...


『1960年の日本映画「ああ、特別攻撃隊」の終結部で日本軍の讃歌である軍艦マーチが鳴響き、

列をなす童顔の神風パイロット達が、最終的任務を背負い離陸前に敬礼するという

途方もなく感動的な場面がある。

難攻不落の戦争への衰えが近づく日、

死に切迫したその顔は疑念と無念に染まり、

それとは対照して活気あるブラスバンドの音楽が背後で不快に響く。

中田喜直の作曲した最も野心的なピアノ曲であるこのソナタは

1949年に作曲され約20年後に手直しされているのだが

皮肉なきびしい光景を聴き手と分かち合う何かがある。

一方、作曲家として中田喜直の美しく純真な“夏の思い出”や”小さい秋みつけた”などの歌曲は

全ての日本人に知られている。

本来、彼はいたずら好きな茶目っ気のある人であった。

しかしこのソナタにおいては彼が話さなかった、

或は話せなかった戦争体験を音楽で表現しているように思う。

彼自身の伝記で述べているように

“戦争のお陰で6ヶ月早く”東京音楽学校(現東京芸術大学)を卒業し

20歳の中田は神風特攻隊として任務を課せられた。

第二次世界大戦の神風特攻隊員全員が熱心な志願者ではなかっただろうが、

国家権力の指令に絶対的忠誠を果たす状況の中でむしろ不運な青年達であった。

中田のように生き残った少数は、

後に天皇への貢献として戦死できなかったことに個人と社会の恥のもつれ合った壁に直面したのだ。

中田のソナタは葛藤した感情でおおわれている。

その3つの楽章は非情な責務(軍隊調のリズミカルな動機と連打)

そして遺憾の表現(簡潔な、未解決な叙情的動機)の繰り返しを特徴とする。

心につきまとうアダージョは、

ラフマニノフのピアノコンチェルト第2番の混乱した激情を引用し、

音楽的ロマンティシズムの必死の祈りで始まる。

猛烈な外面の動きの間で中田の詩的なメロディーは、

原子力時代による壊滅以前に大切にしてきた伝統的で喜びに満ちた日本の慣習、

桜と威厳ある寺院など感性に恵まれた明治時代を回想し、

文学的で科学的そして芸術的な想像力の象徴である日本を切望している。
(サラ・ディヴィス・ビュクナー)』




●6月22日のプログラム:

エドワード・マクダウェル:「森のスケッチ」より 
Edward Alexander MacDowell (1860-1908): From “Woodland sketches” Op.51
野ばらに寄す/To a wild rose
リーマスおじさんの話から/From uncle Remus
昔ひそかに会った所で/At an old trysting places
草原の小川のほとり/By a meadow brook
秋に/In autumn
水蓮に寄す/To a water lily

ダナ・スウィース:「ザ・カクテル組曲」より
Dana Suesse (1909-1987): From “The Cocktail Suite”

オールド・ファッションド/Old Fashioned
シャンパン/Champagne
バカルディ/Bacardi
マンハッタン/Manhattan

レイ・グリーン:フェスティバル・フーガ、アメリカン・トッカータ
Ray Green (1908-1997): Festival Fugues: An American Toccata
プレリュード・プロムナード/Prelude Promenade
ホリデー・フーガ/Holiday Fugue
フーガル・ソング/Fugal Song
牧歌的プレリュード/Prelude Pastorale

歓喜のフーガ/Jubilant Fugue

―休憩―

矢代 秋雄:ピアノのためのノクチュルヌ
Akio Yashiro (1929-1976): Nocturne

宅 孝二:プーランクの主題による変奏曲
Koji Taku (1904-1983): Variations on a Theme of Poulenc

中田 喜直:ピアノソナタ
Yoshinao Nakada (1923-2000): Sonata for Piano
Ⅰ.アレグロ・ジョヴィアーレ
Ⅱ.アジタート‐アダージョ・カンタービレ

Ⅲ.アレグロ・マ・ノン・トロッポ

生で演奏される機会が滅多にない、興味深いプログラムです!チケット有。(¥2,000)





スイーツ(サラデイビスビュクナー)表




スイーツ(サラデイビスビュクナー)裏



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6/22 サラ・デイヴィス・ビュクナーさん

(ビュクナーさんの軌跡がわかる読み物です)



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