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宗次ホール・オフィシャル・ブログ

「クラシック音楽を通じて人と街をやさしくしたい!」クラシック音楽の宗次ホール(名古屋・栄)です♪

5/8 謎のピアニストがやってくる

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去年の9月、突然ホールにメールが届きました。
「イタリアの素晴らしいピアニスト、マッシミリアーノ・ヴァレンティをご紹介します。」

名前も聴いたことがないピアニスト…マッシミリアーノ?ヴァレンティ?どっちが名字なんだろう?
どうやら2019年に中国・台湾でコンサートとマスタークラスに招かれていて、そのついでに日本でコンサートが出来る場所を探しているみたい。

名前で検索すると、ラプソディ・イン・ブルーを弾いている動画が出てきました。

気怠~いスィング感、なかなかかっこいい!
そこで、思い切ってコンサートを入れることにしてみました。

それが、気たる5/8の公演。少しちらし作成時より演目が変更になり、「ロメオとジュリエット」がなくなり、代わりにチック・コリアの「チルドレンズ・ソングス」より抜粋曲が演奏されます。
この曲も、またあまり当館の公演では聴く機会のない作品ですので、ここに曲目解説を予めご紹介したいと思います。ご参考にして頂き、当日是非お越し頂けますと幸いです!
ちなみにマッシミリアーノさんは中国・昆明市(こんめいし)⇒上海 とでコンサートとマスタークラスを行われたそうで、7日に名古屋入り(初来日!)されます。


【5月8日(水)13:30- マッシミリアーノ・ヴァレンティ ピアノ公演 曲目解説】

●●コリア:チルドレンズ・ソングスより
Chick Corea(1941- ): Children’ s Songs
第1、2、3、4、5、6、7、8、12、18番
 アメリカ出身でジャズ界を代表するピアニスト、作曲家であるチック・コリアは70年代、モダ
ン・ジャズの巨人マイルス・デイヴィスのエレクトリック・バンドでの録音に多忙を極めつつも、
自身のソロ・アルバムの製作にも打ち込んでいました。本日演奏されるチルドレンズ・ソングス
はこの時から製作され、1983年に完成されたCD3枚組の“Improvisations Children’ s Songs”に
収録されています。
 全20曲から成るこの作品達の中には繊細さと打楽器的なピアノの魅力、そしてコリアの特徴
でもある美しいメロディーラインとロマンティックな要素が詰まっています。子供の純粋さを
もちながらも洗練された書法で書かれており、作品は子供の誕生から新しい世界の発見、そして
思春期・・・と成長の様が描かれた連作風の仕上がりとなっています。

●●プロコフィエフ:風刺(サルカズム)Op.17
Sergei Prokofiev(1891-1953):Sarcasms Op.17
Ⅰ.嵐のように
Ⅱ.間のびしたアレグロ
Ⅲ.せき立てるアレグロ
Ⅳ.狂気したように
Ⅴ.激しくせき立てるように
 ヴィルトゥオーゾ・ピアニストとして有名であったプロコフィエフですが、本人は自身を“作
曲家”(兼ピアニスト)と考えていました。この曲が作曲された1912年頃、それまでのサロン音
楽的な作風から印象派の音楽へと時代は変わっており、プロコフィエフも実験的な作品を多く
手がけ、激しくぶつかり合う不協和音や鋭いハーモニー、アタック音等で聴く者を驚かせました。
後に作曲家はこの曲についてこのように述べています。

「私達は、時に他人のことを意地悪に笑う。しかし、その笑いの対象になった人物や事柄をよ
く見てみると、実は非常に気の毒な状況であったりするわけだ。そうすると私達は見下して
笑っていたことに居心地の悪さを感じはじめる。その高らかで嫌味な笑い声だけが自分の耳
に残り、その笑い声は悪態をついていた自分自身をあざ笑っているかのようだ。」

 「嵐のように」と記された第1番は激しいオープニングながら、第2主題は叙情的。第2番は少
し穏やかに始まりますが、やはり打楽器的な刻みが続きます。第3番は最も猛烈な音楽。強烈な
エネルギーは緩まることなく、終わりは意外な程静かに結ばれます。即興的な第4番の後、繊細
な第5番では激しい冒頭を経て、暗く灰色で不安に満ちた世界が描かれます。


●●ドビュッシー:子供の領分
Claude Debussy(1862-1918): Children’ s Corner
Ⅰ.グラドゥス・アド・パルナッスム博士
Ⅱ.象の子守唄
Ⅲ.人形のセレナーデ
Ⅳ.雪は踊っている
Ⅴ.小さな羊飼い
Ⅵ.ゴリウォーグのケークウォーク
 1905年に生まれた娘シュシュ(愛称で「キャベツ」の意味を持つ。本名はクロード・エマ)の
ために翌年から3年の間に作曲された6曲のかわいらしい曲集。
Ⅰ.グラドゥス・アド・パルナッスム博士
 タイトルは広くピアノのお稽古で使われていたクレメンティの練習曲のタイトルをもじった
もので、ピアノを習う子供の様子を描いている。最初は真面目に練習していたのが、段々つまら
なくなって、退屈して、でもまた頑張って・・・最後には猛然とスピードを上げて終わります。
Ⅱ.象の子守唄
 象のぬいぐるみを抱っこして眠り込む子供の愛らしい様子。象のような大らかでユーモラスな
リズムが中間に登場します。
Ⅲ.人形のセレナーデ
 軽やかなマンドリン風の伴奏に乗って歌われる人形セレナード。巧みに“美しく響く不協和音”
を選んで、異国趣味を音に表している1曲。
Ⅳ.雪は踊っている
 ちらちらと舞う雪と、それを窓におでこをくっつけてじっと見ている少女の描写。雪は右手か
ら降り始め、すぐに左手がそれに遅れて降ってきます。ドビュッシーにとって雪は悲しみをイ
メージするものだったと言われます。
Ⅴ.小さな羊飼い
 限られた音数しか鳴らすことが出来ない羊飼いの笛の音から開始。その響きはどこか物悲し
く、またやはりフランスではない遠い異国の調べのような不思議な節回しを聴かせます。
Ⅵ.ゴリウォーグのケークウォーク
 最後を飾るユーモラスな黒人の踊りは、ドビュッシーの音楽にしては珍しく皮肉も憂鬱も沈黙
もない、ひたすら陽気な音楽。

●●ドビュッシー:前奏曲集より
カノープ  Canope
ヴィーノの門  La Puerta del Vino
西風のみたもの  Ce qu'a vu le vent d'Ouest
ドビュッシーの前奏曲集第1集は作曲家が47歳のときに僅か3ヶ月で書き上げられており、
この後続編として書かれた第2集と合わせて24 曲のセットを形作ります。
各曲にはその作品のイメージを暗示するタイトルらしきものが添えられていますが、普通はタイ
トルとして冒頭に書かれるべきものが、曲の終わりの余白に、(  )で括られて控えめに、そし
て意味深長に記されています。
 ―カノープ(前奏曲集 第1集より)
 この曲のタイトル「カノープ」は人または獣の頭部の像をオシリス神の象徴として蓋の意匠に
用いた、エジプトの土器(骨壺)のこと。古代エジプトを想起させる神秘的な響きが混ざり合いな
がら奏でられ、最後は不思議な単音が意味深な響きを残して消えてゆきます。
 ―ヴィーノの門(前奏曲集 第1集より)
 ファリャにもらったグラナダのアルハンブラ宮殿にある《酒の門》の絵葉書の、光りと影の強
烈な対照がドビュッシーにインスピレーションを与え、この曲が書かれたと言われています。情
熱的なハバネラのリズムに乗って右手が旋律を奏でる曲で、荒々しさと穏やかさが好対照を成し
ています。
 ―西風のみたもの(前奏曲集 第2集より)
 pp からff まで暴れまわる急激な動きを通して幅広い響きが溶け合います。あちこちにぶつかっ
て曲中を吹き荒れる嵐。西風とは、フランス人にとって凶暴な風を意味するそう。

●●ガーシュウィン:
George Gershwin(1898-1937):
3つの前奏曲
Ⅰ.変ロ長調/Ⅱ.嬰ハ短調/Ⅲ.変ホ長調
ラプソディ・イン・ブルーRhapsody in blue
 11歳の時、自動ピアノの動きを見て演奏を覚え始めたガーシュウィン、学校を中退してからは
NYのクラブで演奏の仕事をするなどして生計を立て始めます。この「3つの前奏曲」を手掛け
た1926年には、その2年前に初演された「ラプソディ・イン・ブルー」で既に国際的な名声を博し
ていました。
 ブルースとジャズ、そしてクラシックを融合させたガーシュウィンの作曲スタイルは今でこそ
典型的な“アメリカン”に見えるものの、当時としては斬新なものでした。ジャズ、ブルースの雰
囲気をたっぷり携えた前奏曲集、第1曲は印象的な単旋律で幕開け。ピアノ伴奏にとり入れられ
ているブラジル東北部のリズム、“バイヨン”でラテンの香りも追加されています。第2曲はブ
ルースによる子守歌といった趣。沈鬱なピアノに始まり、ブルージーな旋律が登場。短い中間部
では束の間明るい雰囲気へと転じますが、冒頭と同じ憂いに沈んだピアノのオスティナートが再
登場し、静かに締めくくられます。「アジタート(激情的に)」と記された第3曲は短い序奏の後直
ぐに活発に動き出し、分厚いテクスチャーと活発な動きで盛り上げられた後、あっという間に終
わってしまいます。
 「ラプソディ・イン・ブルー」の大ヒットにも関わらず、ガーシュウィンは自身のオーケストレー
ションのスキルには満足をしておらず、常に良き師を探していました。そんな時、米国ツアーを
始めるべくNYに滞在していたモーリス・ラヴェルの53歳の誕生日パーティーにて自作曲を演
奏する機会に恵まれたガーシュウィン。その腕前と芸術性にラヴェルはすっかり感銘を受け、二
人は友人となります。ガーシュウィンはNYの中でもアフリカ系アメリカ人の文化の中心である
ハーレム市内のナイトクラブへガーシュウィンと繰り出し、本場のジャズを聴かせます。この体
験はラヴェルの音楽性にも大きな影響を及ぼしました。その後、ラヴェルに師事することを希望
したガーシュウィンに対し、ラヴェルが「君は既に一流のガーシュウィンなのに二流のラヴェル
になる必要はない」と、その申し出を退けたことは有名ですが、その後今度はストラヴィンスキー
への師事を希望したガーシュウィン。それに対しストラヴィンスキーは「ガーシュウィンさん。
ちなみにあなたの年収は?」と尋ねます。正直に1000 万円超の金額を答えたラヴェルに対し、「そ
れじゃぁ、僕こそあなたに師事するべきだ!」とユーモアたっぷりに答えたと伝えられます。
 ユニークな音楽性とジャンルの垣根を超えた唯一無二のガーシュウィンの音楽。交響曲でも、
ジャズでもブルースでもない、といわれる「ラプソディ・イン・ブルー」ですが、この中で作曲家は
現代人の慌ただしいライフスタイルやカオス=混沌とした生活、そして溢れるバイタリティを表
現していると言われます。

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