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宗次ホール・オフィシャル・ブログ

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チェリスト鈴木秀美さんの取材

Categoryインタビュー・取材
4月16日、17日と来演のチェリスト、鈴木秀美さんが
今回の弦楽五重奏の企画について、新聞社さんの取材を受けました。

◇コンサートの詳細はこちら
 4月16日:弦楽五重奏の夜(鈴木秀美のガット・サロン)
 4月17日:スイーツタイムコンサート「春うらら・・・鈴木秀美と仲間たち」

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一貫して昔ながらの羊の腸を縒って作るガット弦を使用し、
エンドピンを使わずに足で挟んで演奏するスタイルを通している鈴木秀美さん。
どうしてガット弦を使用するのか、と問われると・・・

「弦楽器の歴史の中で、今のスチール弦を使用するようになった時間と言うのは、
 そんなに長くないんですよ。
 ハイフェッツだって初期の頃の録音はガット弦の音だってはっきり分かりますし、
 1950年くらいまでのウィーンフィルやベルリンフィルの名盤を聴いても
 オーケストラはほとんどガット弦です。
 ですからストラヴィンスキーの“春の祭典”のような曲だって
 作曲者は間違いなくガット弦の音のイメージで作曲しているはずだし、
 あの曲ではガット弦特有の擦れるような音が効果的に用いられていると考えられます」


とのこと。
ガット弦というとずいぶん昔のイメージですが、
フルトヴェングラーやワルターの時代もガットだったんだ!と、目からウロコ。

さらには、以前鈴木さんがオーケストラとシューマンの協奏曲を演奏した際には
エンドピンなしで演奏したとのこと。
エンドピンも1880年ごろから普及し始めたそうで、
今年秋に予定しているガットサロンの第6弾、
ブラームスの弦楽六重奏曲2曲を取り上げる演奏会でも
もちろんエンドピンなしで演奏するそうです。

「ブラームスがチェロソナタ第2番を献呈したハウスマンは
 ガットの弦でエンドピンなしでした。これははっきり記録が残っています。
 エンドピンを通じて床を共鳴させる、と言いますが、
 ほかの弦楽器はみな肩に乗せているわけですから、
 チェロだけが床を鳴らすというのは実は特殊なこと、と思うんです。
 それに持ち上げて弾いたほうが身体と楽器が一体になって響きます。
 音色も軽く、楽器がはっきりと音楽をしゃべるようになります」


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もちろんガット弦、エンドピンなしというのはメンテナンスの面でも
コントロールの面でも難しいのは事実なのだそうで、
特にガット弦の湿度に対する敏感さには悩まされるそうです。

「どの楽器を選択するか、というのはどういう生き方を選ぶか、ということと同じです。
 例えば、とっても履きなれた靴があって、どこへ行くにもそれを履くという考え方も有ります。
 その一方で山歩き用、街に出るとき用、と使い分けたほうがいいだろうという人もあるわけです。
 どちらも一理あるわけですが、
 ただ、確かに複数の靴を履くことはそれぞれに慣れが必要で、最初は大変かもしれないが
 慣れてしまえば、やはりその方が好都合なことが多いわけですね。
 楽器も道具ですからそれと同じことが言えます。
 ある作品が生まれた時代に、
 その作曲家が想定していた楽器で演奏するからこそ出来る表現があり
 そこに演奏家としてはこだわりたい思いがあるわけです。
 こういう背景があって当時の楽器を使用して演奏することに対して
 簡単に“ピリオド奏法”とか“ノン・ヴィヴラート”と言う風に呼ぶのは
 ちょっと乱暴な、非常に誤解を生むことだと思うんです」


とても興味深い話を沢山伺うことが出来た取材同行でした。
このようなお話は鈴木秀美さんのご著書でじっくりと読むことも出来ます。
こちらお勧めです!


古楽器よさらば
「古楽器」よ、さらば!(鈴木秀美 著/音楽之友社)


4月16日は、モーツァルトが生きた時代の弦楽器の響きを
名曲、ト短調五重奏曲を含むプログラム。
また翌日17日は、ハイドンの弦楽四重奏曲を題材に
「古典派の弦楽四重奏ってこういう風になっていたのか!」というレクチャーを交え
音楽の愉しみ方の幅を広げようというコンサートです。
おたのしみに!

(スタッフ/にしの)





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