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「クラシック音楽を通じて人と街をやさしくしたい!」クラシック音楽の宗次ホール(名古屋・栄)です♪

工房見学レポート 第3弾[管楽器リペア工房編]

Categoryインタビュー・取材
2015年も、あっという間に1月が過ぎ去りすでに2月。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
今年初のコンサートはもうお聴きになりましたか?
宗次ホールでは、今年もたくさんのコンサートを企画して参ります。
ぜひぜひ、たくさんの感動を味わいにお越しください。

さて、今回は演奏にかかせない相棒。楽器のお話です。
楽器の中でも今回は「管楽器」

宗次ホールにも今まで、サックスやトロンボーン、トランペットなどなどたくさんの管楽器奏者に登場いただいていますが、吹奏楽経験者でないとその楽器に触れる機会など滅多にありませんよね。どんなしくみ? どんな感触? 重さは?手触りは?
という事で、管楽器をちょっとだけ触った事ある人と、全く触った事ない人という
とても頼りないスタッフ2人で、1964年より50年続く管楽器の専門店「植村楽器」さんに
お話を伺いに行ってきました。

今回は主に「この仕事をもうかれこれ35年。」という
リペア部門の重鎮 白川建二さんにお話を伺いました。

植村01

お約束の時間に伺うと、ちょうどホルンのリペア中。
かなり使い込まれた感じのホルンのパーツを順にチェックされています。

使っていく内にキーの動きがかたくなったり、浮いたり、ずれたり。
管がつぶれたり、穴があいたり、、、、。
「この辺りの調子がどうもイマイチ、、、、」と持ち込まれた楽器も、その部分だけでなく
全体をみると全く違う所が原因になっている場合もよくあるそうです。
そして、同じ種類の楽器でも、持ち主が違えば症状も異なる。
同じやり方ではなく、1つ1つに合わせて一番合う方法を模索しながら修理します。との事。

植村03

植村02

お仕事の最中にも関わらず
「持ち込まれる修理の依頼は、どのような内容が多いのですか?」
「管が曲がったり、つぶれた時はどうやって直すのですか?」
「今、使っていた道具は、何のために使うのですか???」などの “超” 初心者的質問にも
ワハハ! と朗らかに笑いながら
「ほらっ、これ。穴があいているでしょう。こっちは、以前に直した箇所で
今度は、ここが割けたから、今から直すんだよ。」
と、分かり易く間近に見せながら、気さくに応えてくださいました。

そして、白川さんの横ではオーボエの調整を松本さんが。
植村10
パーツの多さにびっくり。分解された原型のなさにびっくりしましたが
この調整作業も経験を積むにしたがってどんどんスピードが上がるそうです。




さてさて皆さん。この道具、何に使うかわかりますか?

その1 ※写真では分かりにくいですが
    持ち手の先に丸いものが連なったしなやかに曲がる道具。

でんと大

答え:デント・ボールとドライバー
   曲線部分の多い管楽器の曲がっている部分に通して
   押さえたり、時には叩いたり。表面のデコボコを直すための道具。
   先端には管の太さに合わせてケース内にずらりと並んだミリ単位で
   異なる大きさのデントボールを装着する事ができます。

   この他にも、金棒状のものや、ドライバーの先端に付ける様々な形の
   パーツなど壁面に整然と並ぶ工房内。
   管楽器リペア工房ならではの道具がたくさん。
植村05 植村04


その2 ※ライトセーバーのように、光る道具。これは何に使うのでしょう?
植村11

答え:光った状態で管に通し、キーを押す事でホールと
   タンポ部分がぴったり合っているかどうか
   確認するための道具。
   軽くキーを押さえた時に他の部分と比べて、光がたくさん漏れていると
   そこにズレが生じている証拠。
   わずかに漏れる光がリペアすべき箇所を教えてくれます。
※タンポ:管楽器のトーンホールをふさぐ為の器具


その3 ただの紙の切れ端のように見えますが、これも重要な役割を果たす道具
    ※技術者各々使い易いオリジナル版を手作りするようです。

植村23
↑これは、白川さんヴァージョン
 長細い三角形とでも言いましょうか。コピー紙程の薄めの紙を
 5cmほどに切ったもの。ダイレクトに手に感触が伝わるのが重要!

植村21
↑こちらは、ピッコロ、フルート担当の田村さんヴァージョン
 爪楊枝にカセットテープのテープ部分を細かく切って貼付けたオリジナル版。

答え:こちらもキーに関係していて、トーンホールとキーの間にはさみ
   どの接触面も均一に圧力がかかっているか手に伝わる感触で確認するそうです。
   フルートやピッコロの小さな穴の1つの中でも何カ所か向きを
   変え、場所を変え確認して仕上げていくそうです。
植村17
↑チェック中の田村さん



お話を伺った1時間強の間にも、吹奏楽部らしき学生さんが
コルクが緩くなってきたのでみてください。とか
「昨日、本番終わったので全体のバランスチェックをお願いします。」
などなどリペアの依頼の方がやってきました。

一番の繁忙期は、吹奏楽部を持つ中学、高校などの学校がテスト期間に入る時期。
部活動がお休みで、楽器を使わない時に一気に持ち込まれるそうです。
学校で使われている道具はともかく、個人所有の楽器などは演奏まではいかなくても
こまめに音を出すだけでも、劣化やキーが固くなる症状を防げる事。
故障が出た時は、早めにリペアに出した方が直り易い事などもお聞きしました。


そして、最後に以前受けたテレビ番組の取材映像があるよ。との事で
放映された番組をみせていただきました。
植村楽器さんでは、千種区の工房だけではなく各学校に出張リペアを行っているそうで
その様子も収録されていました。子供達と直接話しをしながら作業を行う白川さんの笑顔は
「楽器を贈る運動」での愛知県の吹奏楽部への楽器贈呈式の際
「学生さんたちが喜ぶ姿が本当に嬉しい」と喜ぶ
宗次オーナーについつい重ねてしまいました。

その番組の中で白川さんが一番の道具は?と聞かれ
自分の腕をぽんぽん。と軽く叩きながら「手ですね。」と言った言葉に
私達よりも先にリペアスタッフの田村さんが「かっこい〜〜〜!!」と反応!!

その一言は、経験による知識の蓄積と、確かな技術、そこに色々な方法を模索する
創造力がプラスされることではじめてリペアという仕事が成り立つということを
端的に表しています。

白川さんが自分の腕を信じ過ごしてきた時間は、その背中を見ている後輩達にも
確かに受け継がれていくのでしょう。

向かい合わせで、顔を上げれば正面のスタッフの顔が見れる机の配置や
困った時は、お互いにいい方法はないだろうか?と相談し合うとおっしゃっていた言葉
からも、スタッフ間の信頼と仲の良さが伝わりとても居心地の良い空間でした。

初心者ユーザーから、吹奏楽を学ぶ学生さんたち。名古屋で活躍する演奏家はもちろん。
世界的なアーティストまで。多くの管楽器奏者に信頼される植村楽器店さん。
お忙しい時間にありがとうございました。

販売店さんの入口すぐには、以前宗次ホールにご出演いただいた
ジェローム・ラランさんの来店写真が!
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 カタカナだ!


3月19日(木)宗次ホールには
吹奏楽の花形楽器ユーフォニアムを操る外囿祥一郎と
低音の要チューバを奏でる次田心平のデュオが登場。
ワーヘリ

2つの楽器の無限の可能性を全身で感じる贅沢なコンサートです。
ご興味のある方は、ぜひ!!


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