flower border

宗次ホール・オフィシャル・ブログ

「クラシック音楽を通じて人と街をやさしくしたい!」クラシック音楽の宗次ホール(名古屋・栄)です♪

冬の日の午後にぴったりな温かい音楽を

Categoryインタビュー・取材
今回は、目前に迫るおすすめリサイタルのご紹介です。


========================================

2月18日(水) 14:00開演(13:30開場)


0218 梯デュオ

梯 剛之 かけはし・たけし(ピアノ)
音楽家の両親のもと、東京に生まれる。小児がんにより生後1ヶ月で失明。
幼少期よりピアノを玩具がわりに親しみ、小学校を卒業すると同時にウィーンに渡る。
その後、悪性腫瘍の再発に苦しみながらも、欧州各地のコンクールで優秀な成績を収め
1998年、ロン=ティボー国際コンクールで第2位、2000年にはショパン国際
コンクールにてワルシャワ市長賞を受賞。その活躍が認められ、都民文化栄誉章
出光音楽賞、点字毎日文化賞を受賞。著名指揮者、オーケストラとの共演多数。

ヴォルフガング・ダヴィッド(ヴァイオリン)
ウィーン近郊生まれ。わずか8歳でウィーン国立音楽大学に入学。ウィーンフィルの
コンサートマスター、ライナー・キュッヒル氏に師事。多数のコンクールで入賞し
ロイヤル・フィルやベルン響等と共演。国連で演奏するなど、世界的に著名な会場での
演奏も多数経験している。使用楽器はオーストリア国立銀行より貸与されている
カルロ・ベルゴンツィ1724年製。


========================================


ピアニスト梯さんは宗次ホールに2度目の登場。前回2013年7月のスイーツタイム
コンサートでも日本人離れした大らかな音楽で客席を感動に包み込みました。
2013年 演奏姿

今回は梯さんたっての希望で、昨年知り合って意気投合したという
ウィーンのヴァイオリニスト ヴォルフガング・ダヴィッドさんとのデュオで出演です。
リサイタルを前に、ダヴィッドさんの人柄と音楽について梯さんにお伺いしました。


■聴き手:宗次ホール (西野)
□梯さん


■今回、最初はピアノソロで、というお話だったところに、ぜひともダヴィッドさんを紹介したいということでしたよね。ダヴィッドさんと初めての共演したのは最近のこととうかがいましたが・・・。

□2013年4月にオーストリアへ行った時、知人の紹介でダヴィッドに会いました。その時、初めて一緒に演奏をしてみたのですが、音楽が始まった瞬間に、「あ、この人とは同じ音楽、フィーリングを持っている」と感じました。音楽的に意気投合したということですね。こんな素晴らしいヴァイオリニストと 一緒に弾けることは僕にとって大きな喜びでした。そしてその一か月後の5月に、オーストリアのケルンテン州で初のデュオ・コンサートを行いました。僕たちのデュオのスタートです。


■ダヴィッドさんは生まれ育ちがウィーン。そして梯さんもウィーンで勉強されていますよね。梯さんはどれくらいの間ウィーンで生活されていたのですか?

□僕は東京八王子の小学校を卒業するとすぐにウィーンへ渡り、それから20年近くの間ウィーンで生活し、勉強を続けました。僕にとってウィーン、オーストリアはまさに第二の故郷なのです。日本へ戻ってきてからも年に一度くらいはしばらくウィーンで過ごし、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトなどが生きた街と自然に触れています。


■ダヴィッドさんと日本で演奏会をするのは今回が2度目と伺いました。

□はい、初めてオーストリアでコンサートをした同じ2013年の12月に新潟と東京で、ベートーヴェンの「クロイツェル・ソナタ」やモーツァルトを弾きました。東京のJTホールでの演奏はライブ録音されて昨年9月にCDがリリースされました。そして昨年12月には石川県小松市と東京文化会館小ホールなどでもコンサートをしました。小松のコンサートでは翌日雪のために東京へ戻る飛行機が欠航になり、主催者のご厚意で、車で米原まで送っていただいて東京へ戻りました。10時間以上掛かりました!


■それは大変でしたね…。
コンサートが中止にならなかったのがせめてもの救いですね。さて、もう少しダヴィッドさんとの共演について伺いたいのですが、ダヴィッドさんと意気投合することになった最大の理由はどの辺りにあるのでしょう。ダヴィッドさんの持つ音楽性の魅力とは?


□ダヴィッドは素晴らしい音色を持っています。そしてその音楽は生命感にあふれています。彼の音楽には構築性があり、同時に喜びや悲しみといったドラマ性にもあふれています。さきほどお話したように、僕はこれまでの人生の半分近くをウィーンで過ごしてきました。僕の音楽の根底にはウィーンの空気が流れていると感じています。ダヴィッドもウィーンの郊外に生まれてウィーンで音楽の勉強をしてきた人です。ふたりの音楽には言葉を超えた共通性があるように思います。ウィーンが僕たちを引き合わせてくれて、ウィーンのおかげですばらしいデュオを作ることができたのだと思います。


■なるほど。
そこで伺いますが、2人で音楽を作っていくときに何が一番大切と思われますか?

□呼吸、気持ちを合せること。相手が何をしようとしているかを瞬時に感じ取ることだと思います。僕とダヴィッドは視覚に頼らなくても、文字通りお互いの呼吸を聴き合い、音楽的なちょっとした体の動きを感じたり、予測し合ったりしながらアンサンブルを作っていくのです。また、彼は最初の練習から全曲暗譜して来てくれます。これは普通は考えられないことです。僕も勿論暗譜なので、アンサンブルは必然的により緊密になります。


■梯さんにとってダヴィッドさんは音楽を離れても良い友人でいらっしゃるのですか?

□ダヴィッドは音楽面では自分にとても厳しく、時としてガラスのように繊細な面を見せます。ところが、ひとたび音楽を離れると、陽気で楽しい好青年に戻ります。
2013年のオーストリアでのコンサートの時は、コンサートのあと、主催者の方のお宅の広い庭でデッキチェアに寝そべって陽の光を浴びたり、遊園地へ行ってジェットコースターに乗ったりしました。日本ではコンサートの後に一緒に居酒屋で鍋をつついたり、知人のお宅で夜中まで騒いだりもしましたね(笑)。そういう触れ合いも、一緒に音楽を作るうえで大切なことだと思います。


■今後もお2人での共演は続けていくご予定ですか?

□はい、今回の宗次ホールでのコンサートの後は、2月21日にJTホールで今回と同じプログラムでのコンサートがあり、それもライブ録音することになっ ています。
また、5月にオーストリア、8月にモスクワ、11月にはロンドンでも二人でコンサートをする予定があるんです。


■ベートーヴェンや、梯さんが得意とするモーツァルトなど、是非今後演奏していただきたいですね。今日は有難うございました。<了>

========================================

2014年10月8日 紀尾井ホールでのリサイタル評

「ファンタジーの小箱」のような一夜
上田弘子(音楽ジャーナリスト)


例年どおりの猛暑を経て、そろそろ秋風が心地良くなってきた10月。梯剛之さんの美音に酔った。会場の紀尾井ホールには木の香りがあって、そこに梯さんの優しい響きが乗る。常日頃、梯さんは深い愛情と畏敬の念を持って音楽に向かっている。たびたび接している演奏からそれを痛いほど感じるのだが、当夜の演奏には、これまでにはないものがあった。それを変化とも進化とも言うのだうが、難しく論じるよりも先ず、誠実で澄んだ音が耳を洗い、彩りの響きが心の襞に沁みた。
最初のモーツァルト『幻想曲 ニ短調』。霧の中から何ものかに手招きされるように、スーッと開始される序奏。幽玄な世界へと聴き入っていき、ノスタルジックな主題は軽快な楽想へと移る。続く『ロンド ニ長調』は天真爛漫で、この2曲だけでもモーツァルトの天才ぶりを実感する。それを表現する梯さんの審美眼と技術がそもそも凄いわけ だが、それがロマン派の雄、シューマンとショパンでも発揮されている。

シューマン『子供の情景』では、梯さんは絵本を詠み語るように奏す。無垢な旋律に寄り添うように「1.見知らぬ国と人々」を弾き始め、「4.おねだり」では上目使いの子供の表情を、「9.木馬の騎士」では木馬(木の棒の先に馬の頭が付いた、ドイツの子供の遊び道具)を両足に挟んで英雄気取りで走り回る子供の様子を描く。対極のモティーフが効果的な「11.怖がらせ」では恐怖心を、「12.子供は眠る」では幸福感を、梯さんは潜在意識もファンタジックに創る。

モーツァルトもシューマンも、そしてショパンではさらに、梯さんの“時間の使い方”に甚だ感心。ショパン『24のプレリュード』は多彩な技巧のオンパレードで、付点音符を過度に鋭く切らずにたっぷり弾き、主旋律や響きの進行をフィンガーペダルでコントロール。また、よくある遅いテンポを過感情に酔って弾くことを梯さんは 一切せず、ラルゴやレント(2.4.6.9.13.20.など)を理性的な拍で進めるため、楽曲の真意と魅力がより伝わる。主旋律と内声を僅かにズラして曲に奥行きが出来たり(8.10.15.など)、希望に満ちた明るさや穏やかな心情を良く通る音質で奏す(3.19.21.23.など)。等々、これほど知的で幻想的に構築されたプレリュード集は稀で、リアルタイムで聴けた喜びは大きい。

2013 サイン会 2013 CD販売の様子
※2013年7月のコンサート終演時には、大勢のお客様がサイン会に並ばれました。
 今回の公演でも、サイン会&CD販売ございます。

アンコールの2曲(遺作のノクターンと軍隊ポロネーズ)も“いわゆるアンコール”以上のレヴェルである。まさに至福の時。梯ワールドに心が洗われた。
(2015年3月1日リリース予定CDのライナーノーツより)



♬♪♪ 平日の午後の「感動お約束」コンサート ♪♪♬
2月18日(水)14:00開演(13:30開場)
梯 剛之(ピアノ) &
ヴォルフガング・ダヴィッド(ヴァイオリン)

【プログラム】
ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ 第6番/第8番
フランク:ヴァイオリンソナタ イ長調

お求めやすいお値段で上質な音楽を
一般:3,000円 学生1,800円 [指定席]

ご予約は宗次ホールチケットセンターへ 
☎052-265-1718(毎日10:00~18:00)

関連記事

0 Comments

Post a comment